貝原益軒の<養生訓>Vol.3

病気はくよくよ考えても治らない

病ある人、養生の道をば、かたく慎みて、病をば、憂い苦しむべからず。憂い苦しめば、気ふさがりて、病くははる。病おもくても、よく養いて久しければ、おもひしより、病いえやすし。

解説

不幸にも病気にかかってしまった時には、すべてを忘れてその病気になりきれ、というのが貝原益軒の持論です。「病は気から」といわれるように、心配やとり越し苦労は病気に悪い影響は与えても、良い影響を与えることはないものです。

 

薬を乱用してはいけない

薬をのまずして、おのずからいゆる病多し。みだりに薬を用いて、薬にあてられて病をまし、食をさまたげ、久しく癒えずして、死にいたるも又多し。薬をもちうる事つつしむべし。

解説

ほとんどの病気は、おのずから治っていくものです。それを知らずに薬を使って自然治癒をさまたげ、病気が悪化することも少なくありません。薬の乱用は厳に慎むべきです。

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